one - half

白い花が一輪

僕の心に咲いた


穢れない

まだ何も知らない

真っ白な色


僕はこの花を何色に染めるのだろう

どれだけ穢すのだろう

どれだけ踏みにじるのだろう


だけど力強く

ただただ色鮮やかに

心に在って欲しい


そう願いながら

そう信じながら

僕は未来を歩んでいく

上にも行ける

下にも落ちる


人の進み方なんて

月の満ち欠けと同じ


だけど

それでも

人は夢を見て

上がり下がりを繰り返す


苦しくたって

そのうえの希望を信じている


すごいだろう？


僕にはそんな吐き気のする行為はできないが

周りに溢れる吐き気のする人間たちは

それが夢なのだと

輝くことの代償を恐れない


はっ

聞きたくもないね

そんな理想論

ここへ生まれついたこと


ここへ辿りついたこと


ここへ導かれたこと


総てが必然だから


それを信じよう

僕の心に

ひとつの種を植えた


小さな小さな

いつ芽吹くかもわかるかわからない

だけどしっかりと

実のつまった種


僕は知らず知らずに

優しく育てて

ひだまりと水を与え

種に愛情を注いでいた


種は芽吹き

育ち

花が咲く


あたたかい気持ちと

輝く未来

希望にあふれた明日を

僕は生きていく


心の花を抱えながら

僕の胸の中には

四葉のｸﾛｰﾊﾞｰが眠っている


幼い頃

必死で探した

願いが叶うという

小さな小さな葉っぱ


神様がくれた

きらきらするプレゼント


今もまだ

眠り続けているクローバーに

僕は何を願い

夢見るのだろう

目が私を見つめる


世界の目が

街の目が

人の目が


多数の目が私を見つめる

私を監視する


この街に

夢と希望なんてなく

私に

目指す場所などもなく


放浪と生きている


どこを目指せばいいのかも

どこで輝く欠片を見つければいいのかも

誰も教えてはくれなかった


知らないことばかりが増えていき

私は"守られる"という形の監視をされる


窮屈だ

出してくれ

私はもう自分の足で歩いて行ける


そう言っても誰も耳を貸してくれることはない


非情なな世界

非情な日常