one - half

ある世界に二人の若者がいた

一人はいつでも夢を語っているA

一人は何も語らずただ黙々と仕事をしているB


ある日

Aは夢を断たれた

何もかもを失い

世界から消えてしまった


そしてBは

いつの間にか密かに想っていた夢を実現した

何もかもが光に満ちて

希望があふれている


この世界ではこう云い伝えられた

夢を語るものではない、想うものである


胸に秘めた夢をいつか

わからない

わからないよ

ねぇ　答えて


君は僕の問いかけに答えない

ただ微笑んでうなずくだけ

小さくても

強く　誇り高く

そして美しく

輝いている星々


街の明かりで見えなくても

星は確かに存在し

白く輝いている


誰かが

絶対　誰かが

星空を見上げている


癒えない傷を抱える人

心が幸福に満たされている人

独り淋しくて何かを求める人

それぞれに理由があって星を探す


そう

この世界のどこかで

星は闇を照らし続ける

胸に秘めたその輝きを


いつまで隠しているつもり？


君はもう知ってる


その輝きの真実を

行動一つ一つ

言葉一つ一つ

全部に意味なんていらないから


想うだけでいい

輝ける場所のことを

信じるだけでいい

輝こうという想いを


誰でもできる

誰もができる


きっと絶対

何かを見つけたくて

何かにたどり着きたくて

ただ　ただ

ひたすらに　がむしゃらに

僕は走っていた


希望という言葉の意味も

夢という言葉の意味も

僕にはわからなくて


道端に咲いていた黄色い小さな花

僕は生涯忘れることはないだろう