one - half

僕は行ったことも見たこともない世界だから

行く気もなかった

見る気もなかった


でも君はそこにいる


どうしよう

どうすればいいのだろう

僕は行きたくないんだ

たとえ君がいたとしても


ごめんね

何が" ごめんね " ？

僕は何も悪いことしてない

そう、何も

考え方が違うだけ


一人の世界に僕は引きこもる

この世にあたしのために裂かれるべき

空間　時間　命

なんてひとつもない


意味が見つからないのは

前々から承知の上

だってあたしは埃にも成れない塵だから


さよなら、ばいばい、

もう二度とこの魂が生を授 ( う ) けませんように

何度死のうと思ったんだろ


だけど

体は生きる術を辞めない


呼吸　食事　苦痛　治癒　快楽　恐怖


自分から断つことなどできない

ただの小さな人間

" ごめんなさい "

何に？

何が？

何度謝った？


甘えて、逃げて、謝って、繰り返す過ち

その度に空っぽの ” ごめんなさい "


もう聞き飽きた

ほら　呼んでる

誰もいないはずのところ

何もないはずのところ

りーん　りーん ―――――・・・

不気味な呼び鈴


誰からの電話なのか

僕は知らない

多分　誰も知らない


りーん　りーん ―――――・・・


黒電話が闇の中で

いつまでも鳴り響く

私は私なりの理由があって


それは誰かにわかってもらえるような事でもない


誰かにわかっていてほしいとも思わない


だけど理由はある


ずかずかと入りこんできて


それを踏みにじられれば


それだけ私は傷を負う


あなたは私を何だと思っているのだろうか


鉄？機械？無機質物？


触らないで


私の中の理由


私以外知る必要なんてないから