one - half

僕は走った

何も見えなくて

何も感じなくて

だから走った


走って　走って　走って

もうどれだけ走ったのか


光の先には

ただ

空が青く在った

君がもし


見つからない宝石があったら


僕の宝石をあげよう


君のために集めた


輝石だから

その手に掴んだものは

決して離してはいけないと

その胸に抱いたものは

決して捨ててはいけないと


輝けるものが全てじゃないと



 

君に一言

" 行かないで "

そう言えていたなら

結果は変えられたのだろうか


君は幸せになりたいと

そう言って走り出した

前へ前へ

いつの間にか

見えなくなるほどに


上を見るのに夢中で

道が崩れているのに

気付いていなかった


今さら

何を言っても

君は夢から醒めない


もし貴方を引き止められていたなら



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お題提供：千歳の誓い

自分の希望に自信がなくて

ただがむしゃらに走るしか

方法が見つからなかった


どんな小さな欠片も

見逃すことがないように

でも　誰よりも速く


この矛盾は

自分に課した約束


希望がずっと消えないように


夢の欠片を集めながら走った



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お題提供：千歳の誓い

どうしてもと願った夢は

泡となって消えてしまうとわかっていても

叶えたかった


" 夢は夢のままで "

そんなこと思えなかった


今この瞬間

私が夢が叶ったと感じた瞬間

泡となった自分は消えた


願いを叶えた代償は自分自身



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お題提供：千歳の誓い