one - half

貴方がいるの

ずっとずっと貴方がいるの

気づかないうちに

ずっと貴方が住んでいるの


身体は他の人でも

心は別の人に在って

寂しくて


大好きで

愛してる


本当の気持ちなんて

本当の幸せなんて

本当の愛なんて


誰にもわからない

神様しか知らない

逃げてしまった

逃げてはいけないところまで

行ってはいけないところまで

僕は逃げ出した


次の日

世界は灰色だった

いや、黒か

それとも、白か

とにかく色がなかった

ひとつも


音もなく

感覚もなく

ただただ

広がる世界


どこへ行っても

駆け出してみても

何も、ない


感じることができない


嗚呼

僕はどうしてしまったのだろう

このままこの世界で生きていかなければならないのか

ごめんなさい

後悔をしてももう遅いのはわかってる


そして今夜も僕は世界から逃げ出す

先頭を歩いて行って

走って行ってもいい

とにかく

僕の先にいて


そこから後ろに手を差し出して？

そうリレーのバトンのように


それでいて

たまに振り向いて

僕の存在を確認して

確認するだけでいい


そんな関係

みんなは違うって言うけれど

僕はいいんだ

約束をした


だれとだったか

どこでだったか

いつだったか


どんな約束だったのか


ぼくのきおくのなかには

もうのこってないけれど

約束

そのことばだけがひびいている


どこかでだれかがいつか

ぼくのことをまっているのだろうか

それかもしくは

ぼくのことをまっていてくれているのだろうか

まっていてくれていたのだろうか


ぼくのあたまのなかには

なにもないけれど

約束だけが

ここにある

知らないことのほうが多い世界で

知らない人と繋がっていく


触れないほうが幸せなのかもしれない

だけど人は人を求めて彷徨い生きる

それが、愛なのか


繋がっていった先に

一瞬の愛を見つけて

心を休め

また彷徨う


それが、友なのか

撃たれたわけじゃない

型を抜かれたわけでもない

もともと空いていたわけでもない

じゃあ何故？


此処に空いたまあるいおおきなあなからは

どろどろと何かが流れてくる

これは何？


僕は飲み込まれて

どれくらいかの確率で二度と戻っては来れないのだろう

何処から？


疑問を持つしかない僕を

許してはくれなかった