one - half

君に惹かれた

君からいい匂いがしたんだ


誰も知らない

誰も気づかない

僕の感性が受け取った香り


だから仲良くなりたいと思った

恋愛なんていう美しい関係でなく

もっと醜く汚い

この世には表現のない関係


別れがあるから

恋愛は美しく

希望があるから

絆は輝く


そんな世の中に囚われた

どこにでも転がっている関係はやめようか

上にも行ける

下にも落ちる


人の進み方なんて

月の満ち欠けと同じ


だけど

それでも

人は夢を見て

上がり下がりを繰り返す


苦しくたって

そのうえの希望を信じている


すごいだろう？


僕にはそんな吐き気のする行為はできないが

周りに溢れる吐き気のする人間たちは

それが夢なのだと

輝くことの代償を恐れない


はっ

聞きたくもないね

そんな理想論

君が知っている卵は

真ん丸だろう？

白くて傷のない

美しい珠


でもね

僕が知っているのは

半分なんだ


縦に半分

横に半分

形の問題なんかじゃない

半分の卵


綺麗な珠より

ずっと　ずっと

切なく美しい

ひらひらと舞う

春の訪れ


美しいと

ため息が漏れるのは

醜い姿で

長い時を過ごすから


ひらひら

ひらひら


蝶が花を飾る

心にできた大きな傷

甘く痛む

貴方が癒してくれたらと

切なく願う


私の胸を

密かに蝕むその傷は

言葉では言い難い

想いに膿む


今日もまた

貴方を思い出すたび

胸の傷が

紅く血で染まる

空から舞い降りたか

神様からのプレゼントか


どちらにしても

君は天使のような存在だ


見てくれなんてどうだっていい

優しく包み込んでくれるような

その暖かさ

僕は甘えてしまう


君が僕のことをどう想ってるのか

聞きたいけど聞けなくて

恋愛なんて簡単に思えた

絆という難しい問題


でもきっとそんなことを考えてるだけ無駄なんだ

証明も計算もできない

答えなんてない


君と僕が

その絆だけが

僕たちの中にあればいい